タイの日本語教育はマーケットとしてどのくらいなのか?

今回は「タイの日本語教育のマーケット規模」といったお堅い記事を書きたいと思います。

と言いますのは、

  • わたくし自身、タイで日本語教育の末端を担っているということ。
  • 実は内心では(そろそろこの仕事、潮時だよな…)と思っていること。

この二つの要素が、わたくしを記事執筆に向かわせています。

ネットでの情報と実体験をもとにして、「自分、このままで大丈夫なん?」
といった不安にかられつつ、タイの日本語教育マーケットについて考察してゆきます。

主に想定している読者として、

  • タイで日本語教師として働きたい、と考えている人。

そういった後進の方向けに、少しでも真実の情報を伝えられたらな、と思います。

  • ご同業の日本語教師をされている邦人の方。

いっしょに現状を見直しましょうね(;’∀’)的な、ある意味、シビアな内容になるかもしれません。
もし気分を害してしまったら、まことに申し訳ありません。

ぶっちゃけ、何人くらいのタイ人が日本語にコミットしてるの?

まずはこれです。
「日本語教師」のお客さんは、「日本語を勉強している(タイ)人」ですよね?
そういう人がタイ国内にどんだけいるのさ?って話です。

国際交流基金の資料を参考にしました。
ざっくりとタイの日本語教育状況がまとめられています。2015年の資料ですので、けっこう新しい、ですね。

https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/area/country/2017/thailand.html

ここからわかったことは「学習者の中心層は後期中等教育・いわゆる高校生である。」という事実です。

173,817人の日本語学習者がいて、中等教育が115,355人(66.4%)
(国際交流基金調べ 2015年)

わたくしがかかわっている学校はM1-M3(日本の中学校1年から3年に相当)は日本語クラスがないです。M4-M6(日本の高校1年から3年に相当)のみクラス担当させていただいています。

そして、街の中のいわゆる「学習塾」も高校生の比率が半数ですね。(あとは大学生、社会人)

これらデータや個人的経験から、「高校生」がタイで仕事をする日本語教師にとってはメインのお客さんだ、ということがわかります。

日本語教師は、彼ら彼女ら(高校生)を「個人のお客さん」として仕事を受注できれば、収入が増えることになります。たとえば、オンラインレッスンで日本語を教える、とかのサービスです。

しかし、普通は高校生には「お金を払う」決裁権がないですよね?
そこが難しいです。
親御さんに安心してもらうというのが、一つのポイントになってくる気がします。

高校生学習者の直面するニーズは大学入試か?

大学入試で日本語を受験科目に選んだ人は

2015年度 12,702名

2016年度 7,052名

2017年度 11,525名 というデータがあります。

(国際交流基金調べ)

約1万人の受験生が日本語を選択して大学入試に臨むという構図です。

先のデータから2015年に高校生(中学生も一部含むかも)が115,355人日本語を勉強したことがわかりました。

このうち、大学受験をする3年生が3で割って37000人くらいと仮定します。

その中で12702人受験したと考えると、3人に一人しか日本語を大学受験のウェポンにしていないということになりますね。

あれ?数が合わなくね?

 

実はこれにはからくりがあります。

日本語をメインウェポンとして週に5-7コマ勉強する「ガチ勢」のほかに

週に2コマだけ「第2外国語」で日本語を学ぶ「にわか勢」の生徒さんが多いのです。

わたくしのかかわっている学校では比率は半々です。

「にわか勢」は主に理系の生徒さんで、大学受験には日本語を使わないのです。

 

そう考えると、「個人のお客さん」として受注が期待できる、すなわち大学入試で日本語を選ぶような「ガチ勢」の高校生層は、タイ全国でも30000人だと思います。(1万人×3学年)

 

すなわち、日本語教師として仕事をする人は主に、

30000人の高校生マーケットにリーチして戦うことになります。

 

JLPT(日本語能力試験)の受験者について。

日本語を学ぶ人にとっての、オフィシャルなテストがJLPTです。

https://www.jlpt.jp/index.html

日系企業への就職や日本留学のパスポートとしてチャレンジする人が多いと思われます。

JLPT周りも、日本語教師のニーズがあるところです。

 

まず、タイ現地のJLPT実施機関OJSATのWEBサイトはこちらになります。

https://www.ojsat.or.th/main/

見事にタイ語オンリーなので「閲覧注意」ですが、おそらくはタイ国内で日本語教育にかかわると否応なしにこのWEBサイトの情報が必要になってくると思われます。

同業者の皆さんは要チェックです。

肝心の、タイのJLPT受験者のアナリティクスはこちらで見つかりました。

https://www.jlpt.jp/statistics/pdf/2017_1_3.pdf

ちょっと小さくて読めないですね。すみません。

上のPDFファイルをちょっとスクロールすると出てきます。

2017年7月、タイでは10916人が受験した模様です。

年齢別のデータがないので、ニャンとも言えないのですが、JLPTを受験するコアな学習者は1万人と考えてよさそうです。もちろん、この中には現役高校生が相当数入っているでしょうから、単純に日本語教育マーケットが1万人増えたわけではありません。

 

調査結果をまとめます。

まとめると

タイ国内の日本語教育の市場規模は3万人強から4万人くらいかな?と思います。

 

もちろん、今まで日本語に興味がなかった人を引っぱりこむ魅惑的なサービスがあればマーケットは拡大するでしょうが、そんなのあるはずもないです。

だって、あなたが

「どう?〇〇語を勉強しようよ」と唐突に言われて、「よし!やるぞ」という気分になり、さらにカネを払うなんて、想像できなくないですか?

魅惑的な異性に誘われて、のようなサービス自体と何の関係もない要素でもないかぎり、まず無理です。ありえないです。

正直、6800万人の人口を擁するタイという国で、3万人だの4万人だのは、まあ小さいマーケットだな~、と思います。

 

たとえば、人口1億人の日本で「ピアノが趣味」の人は200万人程度という説もあります。「将棋が趣味」もきっと同じようなものでしょう。

けっこうマイナーなイメージのある「ピアノ」や「将棋」。

そんなものにさえ惨敗しているのが「日本語」という習い事なのです!

しかもメイン顧客層は、学校で(授業なのでしかたなく)日本語を勉強させられている、おまけにおカネを払う決裁権もない高校生たちです。

普通に考えて「日本語教師」は「無理ゲー」だよねー、と思います。

しかし、日本国内のピアノ教師が(あるいは将棋インストラクターが)200万人のパイを奪い合うよりは、タイで日本語教師をして3万人のパイを奪い合う方が、まだ勝てそうな気がしないでもありません。(いわゆるブルーオーシャン度がどのくらいの市場なのか?その辺りは、今後の研究課題です。気が向いたら調べます)

日本語教師として個人で集客しようと思ったら、

現実的な必要スキルは、「日本語がしゃべれないお客さん(だから習いに来るのです)」を「生徒さん」として成約させる「タイ語力」とか「コミュニケーション能力」、そういった接近戦に入る前の「集客力」「マーケティング力」に成功のカギがあるような気がします。(でも、もしこれをお読みの同業者のあなたに、そんな能力があったら今頃もっとちゃんとした仕事についているはずで、ぶっちゃけ言いますけどバk、、、略

というわけで、今回はタイの日本語教育はマーケットとしてどのくらいなのか?という

記事を書かせていただきました。

 

今回の調査の結果を重く受けとりまして、転職と現状維持(集客)の両ニラミで社会人として生活していきたいと思います。

ご意見、ご感想、ご批判などコメントいただけると嬉しいです。

お読みいただきまして、ありがとうございます。

タイの日本語教育はマーケットとしてどのくらいなのか?” に対して1件のコメントがあります。

  1. シュウ より:

    こんにちは。
    突然のコメント失礼します。
    私は逆に日本語教師の未来が良い意味で活発になると思います。
    というのも、顧客相手を「学生」だけをターゲットとして考えるのであれば未来は無いのかもしれせんが、今は「技能実習生」や日系企業での日本語指導がかなり必要とされています。
    彼らは学生たちと違って「日本に行くために身につけなければならない」という状況ですので、やる気も置かれている状況も全く異なります。
    私は、学生や社会人の習い事の1つとしての日本語指導は「教育」と考え、技能実習生といった方への日本語指導は「教育」ではなく、外国人支援の一種だと考えています。
    「教育」としてEJUやJLPTといった日本語教育だけを見るのではなく、就労前提としたタイ人たちの「日本語」というのもあるのを頭の隅にでも置いて頂けたらと思います。

    ちなみに私はJlptやEJUやというようなここで言った「日本語教育」は二度とやりたくないです(笑)
    そのくらい、待遇も環境も違いますね。
    私の周りもいわゆる「日本語学校」というところから、「送り出し機関」や企業向けの日本語教師になった方は皆口を揃えて「日本語学校はもういいかな」と言っています(笑)

    1. spithailife より:

      シュウさん、暫くブログを放置していたので、ご返事が遅くなって申し訳ございません。「技能実習生」はベトナムやカンボジアがアツい!という話を聞きますね。この話をすると、日本の治安が心配、、、とか、移民受け入れはちょっと、、、というナーバスな問題があるので、ブログの記事にはしないと思いますが、ご参考にさせていただきます。たしかに、待遇も将来性もよさそうですし、個人的に興味あります。貴重なご意見と情報、ありがとうございます。

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